アップル・コンピューターの共同創業者スティーブ・ジョブズは、日本の新版画を愛し、特に河瀬円水はお気に入りの作家でした。円水は、微風に誘われ、太陽や雲、雨を友として旅に暮らしの、庶民の生活が息づく四季折々の風景を生涯描き続けました。
大正から昭和にかけて活躍した版画家・川瀬円水(1883〜1957)の回顧展がSOMPO美術館で2021年10月1日〜12月26日まで開催されました。そのレポートとなります。
「朝、夕、夜、水、雲などに首座そた性的な世界を私は愛する」 (川瀬円水)
円水は、微風に誘われ、太陽や雲、雨を友として旅に暮らし、庶民の生活が息づく四季折々の風景を生涯描き続けました。 それは近代化の波が押し寄せ、街や風景がめまぐるしく変貌していく時代にあって、日本の原風景を求める旅でもありました。 その版画制作を支えたのが、浮世絵版画にかわる新しい時代の版画「新版画」を推進した版元の渡邊庄三郎でした。 二人の強固な制作欲は、海外にも適用する木版「美」の構築をめざし、今や円水の風景版画は、郷愁や安らぎをもたらす木版画として多くの人々に愛されています。
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川瀬円水
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旅の記録 ー旅で出会った日本の風景ー
「旅情詩人」と謳われた川瀬円水は、1918年(大正7)以降、旅に出ることが制作のベースとなっていった。旅先では、その地を丹念に写生し、戻ってからは、版画の制作に没頭するというスタイルで、数々の名作を生み出した。 円水の旅の記録からは、興味深いことが浮かび上がる。目的地を決めて旅程を組んでいるような形跡がないのである。多分、おおよその目的地を決め、あとは気持ちが動くままに、美しい日本の風景を、行ったり来たりと追い求めたのではないだろうか。 円水の旅の記録は、もしかしたら円水自身の「心の旅」の記録だったかもしれない。
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旅の記録 ー旅で出会った日本の風景ー
「今の私に何が好きだと聞かれましたら即座に旅行と答へます。実際、旅行は私の嗜好中第一位にあります。 (川瀬円水)
旅みやげ第1集
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タイトルの山の寺とは、宮城県仙台市にある龍門山洞雲寺という曹洞宗の寺院のことで、日本三山寺の一つに数えられている。中央の建物は山門(二天門)で、右が開山堂、左が仏殿である。三つの建物は登廊でつながっていたが、1943年の山火事により、全ての伽藍が焼失した。円水は藍色を主体に用い、その濃淡を繊細に摺り分けることで、月光に照らされた堂宇がぼんやりと輝きを放つ様子を表現した。
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久出は小浜から舞鶴の方面へ二里ばかり行った所です。小高い街道から見た此の景色には何人も賛美の言葉を吝まないでせう。途中の写生にひまどつた私は、まばゆきばかりに美しい此処の夕暮れを見ることを得たのです。
東京十二第
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新川は隅田川河口の西岸にある霊岸島を東西に流れる運河で、両岸には廻船問屋の倉庫が立ち並んでいた。海上交通の拠点として発展し、特に上方の下り酒を扱う酒問屋が多かった。図は此の倉庫街の夏の夜を描いたものだあるという。昼の暑さやけんそい鵜を忘れたかのように、息をひそめて重厚にたたずむ蔵と蔵の間から、ガス灯の光がもれる。人物が誰一人として登場しない本図の中で、この光は圧倒的な存在感を放っていよう。
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かつて京橋の両岸には青物市場が立ち、近郊で採れた大根が水揚げされたことから大根河岸と呼ばれた。京橋川を挟んだ向こう岸は青物問屋の荷上げ場で、船から直接荷揚げができるようになっていた。住居を兼ねており、物干し竿には洗濯物がかけられている。野菜は建物の道路側の市場へと運ばれる。川の手前側にも市場が立ち、大根や赤かぶが並ぶ。野菜の新鮮さや、きびきびと働く人たちの活気が伝わってくるようである。
日本風景選集
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旅みやげ第3集
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太海は千葉県房総半島の太平洋側にある鴨川市南部の地域である。海沿いの町で、今もなお懐かしい漁村風景が広がっている。図の海岸の目の前に立つ鳥居は、太身の守り神である香指神社のものである。社殿は鳥居に続く階段の参道を上がった高台にあり、太身の浜を一望する。灯籠の傍らには赤子を背負う少女が座る。光と影のコントラストが、真夏の強烈な日差しを思い起こさせる作品である。
東海道風景選集
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忠臣蔵で有名な泉岳寺は東京都港区高輪にある曹洞宗の寺院である。もとは外桜田にあったが、1641年、現在地に移転した赤穂藩主であった浅野匠頭長矩と四十七士の墓がある。図は山門の内側からの景色を、一番星が輝く薄闇のなかに描く。
日本風景集 東日本
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日本風景集Ⅱ 関西篇
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![川瀬円水](https://ubarth2030.com/wp-content/uploads/2022/03/スクリーンショット-2022-03-05-20.32.07.jpg)
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新学期を前にハリーたちは、人で混雑しているキングス・クロス駅の9と3/4番線からホグワーツ特急に乗り込みます。ハリーはどこかな?東京駅にぴったりのイラストですね。
![川瀬円水](https://ubarth2030.com/wp-content/uploads/2022/03/スクリーンショット-2022-03-05-20.29.00.jpg)
![川瀬円水](https://ubarth2030.com/wp-content/uploads/2022/03/スクリーンショット-2022-03-05-20.29.35.jpg)
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![川瀬円水](https://ubarth2030.com/wp-content/uploads/2022/03/スクリーンショット-2022-03-05-20.37.51.jpg)
ハリーポッターのこのイラストは『Harry Potter and the Chamber of Secrets(ハリー・ポッターと秘密の部屋』用に描かれた作品。(現物は意外と大きいよ)箒をしっかり握って、ドラゴ・マルフォイの追従を気にしながら雨、風を凌ぎながら飛行するハリーの表情に魅せられました。
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