『ウルトラマン』(1966)、『仮面ライダー』(1971)、は現在も新作シリーズを作り続けているエポックな作品であり、庵野少年の心をつかんで以来今も離さない作品である。
少年時代から憧れ、傾注したこの2作品の新作映画『シン・ウルトラマン』、『シン・仮面ライダー』の制作に、現在庵野先生は関わっている。これらに先立つ『シン・ゴジラ』同様、庵野先生位は作品の原点回帰を願い、ヒーローが初めて出現した世界観による衝撃と感動をエンターテインメント映画として再生することを試みている。
シン・ゴジラ
『シン・ゴジラ』、新たなる挑戦
『:Q』と並行して進められた日本テレビ、スタジオジブリの企画展「館長庵野秀明 特撮博物館」が契機となり、2013年に庵野先生は『ゴジラ』の新作映画監督を東宝に依頼される。当初は固辞していた安野先生も、樋口真嗣を始めとする関係者からの熱心な勧めと、「特撮映像というジャンルへの恩返しになる」という意見に心が傾き、総監督を引き受けた。
タイトルの『シン・ゴジラ』の名付け親は、もちろん庵野先生。邦画の制作体制では珍しい「プリヴィズ(プリヴィジュアライゼーション)」を使った制作方式や、着ぐるみではない3DCGによるゴジラ本体や破壊表現、怪獣に対応する日本政府を取材に基づくリアリズムで描くなど、ここでも新しい試みや表現描写にチャレンジした。こうして2016年に完成した『シン・ゴジラ』は、『ゴジラ』シリーズとしては過去最高の興行収入82億円を越す大ヒットとなり、映像作家・庵野秀明の評価を一段と高めた。
シン・エヴァンゲリオン
- 監督/企画/原作/脚本/エグゼクティブ・プロデューサー他:庵野秀明
- 監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏
- 2021年(令和3年)公開
- 劇場用アニメーション映画
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、アニメと特撮の融合
『シン・ゴジラ』の制作公開後、安野先生は中断していた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作を再開する。新たな劇場版の完結編として制作するにあたり、実写から得られた経験を映像に反映することで、さらなる新規性の追求が始まった。かねて人の頭で考える画コンテに限界を感じていた安野先生は、芝居を俳優に演じさせてそのモーションキャプチャーデータを使ってアングルを模索したり、前半の舞台となる第3村をミニチュアセットで作り込み、写真を撮影したりするなど、自身の頭だけでは出てこない面白い映像を模索し、制作初期にプロットの流れを検証。これらの方法は、制作の状況クオリティーコントロールの両立を実現している。
コロナ禍による2度の延期から2021年3月公開となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、かつて誰も観たことのない映像の固まりとなった。さらに26年分の『エヴァ』を包括し、その全てに別れを告げる物語の決着は、新旧ファンの区別なくもてなすサービス精神にあふれたものだった。本作の興行収入は100億円を突破。庵野の監督/総監督作品としても、ニッチなジャンルである巨大ロボットアニメーション映画としても、前人未到の記録になった。パチパチ
デジタル時代の新生『エヴァンゲリオン』
テレビシリーズから12年後、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』と仮名違いを一新し、『エヴァ』は新たなシリーズとして再始動した。
第一作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(2007)は、テレビシリーズの「第壱話」から「第六話」に相当する部分を再構成。デジタル撮影処理により夜の街に輝く初号機、3DCGで昇降する第3新東京市のビル群、水晶のようにきらめく使徒。かつての原画も再利用しながら、そこに膨大な修正や新作カットを加えた映像は先進性を見せた。
公開後の観客の反応は意外なものだった。旧作ファンではなくテレビ放送当時、作品を理解しきれていなかった若い世代が殺到し、興収20億円を記録したのだ。続いて制作された『:破』(2009)は、新たなキャラクターやメカニックを加え、テレビシリーズの起動から外れるオリジナル展開に大きくかじを切った。
3作目の『:Q』(2012年)は、唐突に前作から14年の時が経過したという衝撃的な内容でさらに話題をよび、興行収入53億円のヒットとなった。だが、庵野先生は極度の精神的な疲労により体調を崩し、予告された完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作はいったん中断された。
第3村ミニチュアセット(場面設定・画面構成検証用)
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に登場する「第3村」のシーンを作り上げるための検証用資料としてミニチュアセット(およそ1/45スケール)が制作された。 第3村は、映画制作スタッフ国内のさまざまな場所を取材するなどして創造した、物語の重要な舞台である。このミニチュアセットで作られた村の中心部は、国の登録有形文化財の転車台や扇形車庫などで知られる天竜二俣駅(天竜浜名湖鉄道/静岡県浜松市)周辺の取材を基に構成された。 映画制作スタッフは、映画の画面に最適なカメラアングルを探りながらこのミニチュアを撮影し、その写真や映像をもとに、プリヴィズを作成し、画コンテやレイアウトを描いた。なお、映画の画面を設計するための資料素材のため、特撮映画などのミニチュアと違い、細部をリアルに作り込むことはしていない。また、さまざまな工程を経て完成した映画の画面とこのミニチュアとでは、建造物の種類や数量、並び方などいくつも異なる点がある。 ミニチュアの撮影は2017年10月に行われ、以後も2018年5月まで断続的に追加撮影が行われた。 このミニチュアによって、地を這うような低位置からドローンを用いたような高所まで、多様な視点からのカメラアングルを追求することが可能となった。また、空間設計がより正確になり、臨場感や現実感のある舞台を作り上げることができた。 (ミニチュア制作:DEN田島勇 ミニチュア製作助手:福島彰夫、鶴巻智也)
シン・ウルトラマン
シン・ウルトラマンのウルトラマンについて
成田亨氏の描いた『真実と正義と美の化身』を観た瞬間に感じた「この美しさを何とか映像にできないか」という想いが、今作の原点でした。
我々が『ウルトラマン』というエポックな作品を今一度現代で描く際に、ウルトラマン自身の姿をどう描くのか。 その問題の答えは、自ずとと決まっていました。 それはあ、成田亨氏の目指した本来の姿を描く、現在のCGでしか描けない、成田氏が望んでいたテイストの再現を目指すことです。 世界観を現代に再構築することは挑戦できてもあの姿を改める必要を感じ得ず、成田亨・佐々木明両氏の創作したオリジナルへの回帰しか、我々の求めるデザインコンセプトを見出せませんでした。
その為にーーー
『真実と正義と美の化身』と成田氏が当時から後年にかけて描いていた様々なウルトラマンのイメージを踏襲し融合し再構成させた体表のライン。 成田氏が監修した、佐々木明氏政策によるマスク。 成田氏が望んだ、古谷敏氏の体型データをベースとした体躯。 成田氏が望まなかった、目の部分に覗き穴を入れない。 成田氏が望まなかった、スーツ着脱用ファスナーに伴う背鰭をつけない。 そして、成田氏が望まなかった、カラータイマーを付けない。
と、いう作業を行った結果が今回のデザインです。 ウルトラマンの美しさに、少しでも近づきたいという願いから生まれた姿です。
この想いが、わずかでも観客の皆様に伝わることができれば幸いです。
監督・脚本 庵野秀明
シン・仮面ライダー
いかがでしたか?安野秀明先生のシン・シリーズ。最高ですよね。
安野秀明先生はやはり天才です。次の先生の作品が楽しみです。
そして、感謝を忘れないことが先生のすごいこと。私たちも感謝したいと思います。合掌・・
類似アート
シン・日本
シン・
シンイチ
コメント