アートを楽しむのはミュージアムの中だけではない。 街にとびだしたアート「Street Museum」。 才能あるデザイナーやアーティストとの出会い、応援 その先のコラボレーションを目指して東京ミッドタウンが 毎年実施しているデザインとアートのコンペティション TOKYO MIDTOWN AWARD。

Street Museum
【街×ストリート×アート】

ごあいさつ
アートを楽しむのはミュージアムの中だけではない。 街にとびだしたアート「Street Museum」。 才能あるデザイナーやアーティストとの出会い、応援 その先のコラボレーションを目指して東京ミッドタウンが 毎年実施しているデザインとアートのコンペティション TOKYO MIDTOWN AWARD。 2021年のアートコンペ受賞者全6組が 東京ミッドタウンに再結集。 生活様式やコミュニケーションのある方が急激に変化する激動の時代に、 作家たちは、自分自身や社会を形作る見えない仕組みや存在に着目し、 それぞれの視点で追求しました。 注目の若手作家が切り取った「今」をご覧ください。
001/006 映写車「電気作用活動座」
001/006
映写車「電気作用活動座」
親指姫(丹羽優太+下寺孝典)
1997年生まれ。広島県広島市出身、広島県広島市在住。

座面に使用した絹糸を作るカイコガは5000年以上前に家畜化され、現在まで多くの遺伝子組み換えが行われてきた。 開発や生産の背景にある遺伝子組み換えは、本来の遺伝子の歴史におけるバグであると考える。 椅子に座っている時は、その背景が見えないように、通常ものを使用しているとき、その背景を意識することは少ない。 また、ヨーロッパでは年代を経た椅子の布を張り替えて何十年も使い続ける。 新しい製品を生産し続けるのではなく、修理して大切に使う文化に共感し、作品に用いた。
002/006 You Know Then,But You Don’t Know Them.
002/006
You Know Then,But You Don’t Know Them.
草地 里帆
画家の丹羽優太と屋台研究家の下寺貴教によるユニット。2021年結成。

映写機や砲台から着想を得た映写車「電気作用活動座」は自由に移動し、あらゆる場を劇場へ変貌させる。 場によって縛られないその姿は映画館のできる前の時代を思い起こさせる。そこから映し出される”黒い何か”。 江戸時代のなまず絵をも彷彿とさせる”黒い何か”がアニメーションによって動き出す。 それは何を思い蠢いているのだろう。 映写車「電気作用活動座」が街に繰り出し ”黒い何か”が投射された時、いつもの日常が非日常へと塗り替えられる。
003/006 The Castle Inside Out
003/006
The Castle Inside Out
蔡 云逸
1995年生まれ、上海出身、東京と国分寺市在住。

大きなお城に入って、一階はライブが次々と開催されている黒い部屋、二階に行くと真っ白で空っぽの大きなホール。カーブの階段を降りて地下一階に行くと、恐怖が満ちた闇が広がる。お城の外へ逃げると、道に段ボールが落ちている。その中で、三匹の白猫が走り回っていた。それを救えるかどうかとても迷う・・・。一度夢から覚めて、ふたたび夢に戻ると、「なぜ猫に餌をあげてないの、忘れたでしょう!」と責めたてる声が聞こえる。死にそうな猫の声がする。もう一度はこの中を覗くと、三匹の天使が現れた・・・。 ダンテの神曲のように、地獄と煉獄(この世)と天国、三層からなる建物を、中に彷徨っている個人の視点から展開する。




004/006 私と東京ミッドタウン
004/006
私と東京ミッドタウン
坂本 史織
1997年生まれ。埼玉県熊谷市出身、東京都青梅市在住。

東京ミッドタウンはかっこいいです。 遠くに住む私にとっては、あこがれの場所です。 そんな東京ミッドタウンに、 ひょんなことからホームセンター店員である私の絵が置かれました。 昨年10月のことです。 今でも信じられません。 本当にありがたいことです。 そんな、奇跡的に生まれた東京ミッドタウンと私の縁。 ここぞとばかりに、共通点を探ります。 ・・・ ホームセンターでも、東京ミッドタウンでも買えるものをスケッチしました。 全てをミッドタウンでみつけられます。

005/006 汚れ山水
005/006
汚れ山水
都築崇広
1988年生まれ。埼玉県鶴ヶ島市出身、東京都葛飾区在住。

きれいな街の一角にも、年月を経た塀があり、シミやホコリ、キズなど無数の汚れが重なっています。 それはさながら画家の絵の具を何層にも塗り重ねたかのように表情豊かです。 何の意図もない汚れを眺めていると、そこに暮らす人や街の歴史がぼんやりと重なってきて、汚れの風景画が立ち現れます。 激しい移り変わりの中で、新旧の建物が林立する六本木(赤坂・乃木坂)の街の壁の汚れに、昔〜今〜未来の風景を想像します。
006/006
Blue tile
柴田 まお
1998年生まれ。神奈川県横浜市出身、東京都多摩市在住

東京ミッドタウン内には、意識的に作られた人工的な「自然物」が多くある。木漏れ日がさしているような緑の印刷物に、木の皮のように段を重ねた壁。この作られたイキテイルモノの中で、新たな非自然物を設置する。壁面に展開される青い彫刻は、その前を通り過ぎる人々とともに、クロマキー合成を施された映像として、リアルタイムでモニターに映し出され、そこには現実とは異なる姿が浮かび上がる。作られた自然物と、その中を何気なく行き交う身体の間に生じる違和感を表現する。

最先端のアーティストたちの価値観が六本木で花開く、感動のストリートミュージアムでした。
本日も最後までご愛読ありがとうございました。

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