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TOKYO MIDTAWN AWORD 2021年
2021年10月14日(木)〜11月7日(水)
東京ミッドタウンは、「JAPAN VALUE (新しい日本の価値・感性・才能)」を創造・結集し、
世界に発信し続ける街をコンセプトに誕生。
21世紀の日本を元気にするキーワード、「デザイン」と「アート」。
才能あるデザイナーやアーティストとの出会い、応援、コラボレーションを目指し、今年で14回目となる
「TOKYO MIDTOWN AWARD」をデザインコンペ、アートコンペの2部門で開催されました。
総計1,366点の応募作品の中から選出された受賞作品を遂に発表。
その中でデザインコンペの受賞作を見てきました。
どれも、コンセプト、デザインともに納得のいく素晴らしい作品でした。
尚、コンセプトは間違って解釈しないように展示されている作者の意図をそのまま使いました。
できれば、実物を触ったり、動かして見たかった。
たぶん、この中で商品化するものも現れると思います。
その時は是非買わさせていただきます。
受賞された方、本当におめでとうございました。

デザインコンペ
グランプリ(1点) 賞金100万円
窓時計 onegi : 太田 文也さん、根岸 桃子さん(東京)

【コンセプト】
室内で過ごすことの多い、現代人と太陽の関係をリデザイン。時計を窓に飾ることで、外を見る行為を日常化。自律神経を整えると言われる、太陽の光を心とからだに。そんな小さな豊かさが、わたしたちを少しだけ健康にしてくれる。

さすがグランプリ。発想が飛んでるね



心を気遣う優しさがいいわね
優秀賞(4点) 賞金30万円
smokeho 稲垣 竜也さん(埼玉)


【コンセプト】
温かい料理の湯気が食欲をそそり、冬の吐息や、夏の朝靄が季節の訪れを予感させる。線香の一筋がフワフワ、クネクネと伸び上がる。煙はどこか心地よいものに付き纏っているようです。揺蕩う煙を捕まえて眺めてみる。唯それだけで、どこか遠くの場所や時間、複数の形の中にトリップできそうな気がしてきます。これは孤独を愛でる道具です。「満たされた状態」はそんな些細な状況から、ゆっくりと浸透していくものだと思うのです。



煙の動きをアートにするのってすごい。時間を忘れて見入ってしまう。



煙を空間に閉じ込める造形もいいわね。
草むらになるゴミ袋 タタラゼミエムニさん
工藤 外四さん/長谷川 皓士さん/金 璽民さん(兵庫/大阪/京都)


【コンセプト】
収集場所に積まれた際に草むらに見えるゴミ袋です。 豊かさや人間らしさを追求する事は、同時に、ゴミや資源、自然環境問題の発生を伴います。それらの問題を意識した上で幸福を追求することをTHE NEXT WELLBEING と捉え、ゴミと私たちの生活の関係を考えなおすきっかけとなるプロダクトを制作しました。



ゴミの問題をアートにすることが逆転の発想



世の中を綺麗に変えようとする作者の心の美しさね。
ゴミからできたゴミ箱 有留 颯紀さん/小笠原 勇人さん(横浜、東京)


【コンセプト】
ゴミ箱は廃棄物と生活空間の狭間となる特異なプロダクトですが、どれほど薄汚れてもそれ自体をゴミにすることはなかなかできず、それが空間の淀みに繋がります。そこで再生紙のパルプモールドでできたゴミ箱を作りました。汚れ具合に応じて、これ自体も簡単にゴミとして破棄できます。素材に再生紙を用いることで環境に負荷をかけず、生活の「負」を溜め込む容器そのものの代謝も良くする、そんな次の生活スタイルの提案です。



ありそうでなかった発想だね。



素敵!シンプルだけど味わいのある造形。これはすぐにでも商品化しても売れそう。
視点を変える定規 福島 拓真/関口 遼/柳澤 星良さん(神奈川/東京/岡山)


【コンセプト】
メモリと数字が一つに合わさった定規です。本来、メモリの上に数字が印字されていますが、数字を縦にして並べることで視点を変える事で正面からみた時メモリになる定規です。使う時だけでなく、使っていない時もインテリアとして機能します。パーソナルな生活リズムが主流になった今、身近な道具の美しさが幸せにつながるのではないでしょうか。



これも考えつきそうでこれまで製品化していなかったんだ。



メモリだけでなく存在感が半端ない定規だね。他の文房具がかわいそう。
ファイナリスト(5点) 賞金5万円
flower dancer 時岡 翔太郎さん(兵庫)


【コンセプト】
暮らしに自然を取り入れる習慣は、心を和ませ、日々を穏やかにしてくれます。これは、風を受けてゆらゆらと揺らぐ花器がつくる「癒し」のデザイン。空気の動きとともに踊り、花の表情を変化させてゆく。こちらに語りかけるように頷き、親しくなれたように思える。そんな、自然との心地よい関係が、ささやかな幸せを生み出します。



わざと傾きそうに花を生けてみたくなる



本来動かない花や花瓶を踊らせようとする考えが秀逸
花火線香 波多野 現さん(北海道)


【コンセプト】
「花火線香」はお家で楽しむ線香花火です。着火時は素敵な香りのお線香。香りの中、瞑想や語り合ってもいい。火は中心に来た時、線香花火となってガラスを彩ります。それはまるで部屋の中の花火大会ー花火の後は元のお線香。残香の中、余韻に浸れます。コロナ禍の先には輝く未来が待っている。そして明けた後もあの大切な時間を忘れないために。私たちの「THE NEXT WELLBEING」。今夜も「花火線香」を焚きませんか?



どうして中心に来た時花火になるの?



線香自体に仕掛けがあるのよ。でもこれはロマンチック。大事な人と忘れられない時を過ごせそう。
ふくふく金魚鉢 ソー ユンピンさん(マレーシア クアラルンプール)


【コンセプト】
金魚が泳ぐことにより水の波で揺らめく様な、薄く成形した透明な金魚鉢です。豊かな生活は、良い心や良好的な関係も指すことだと考えました。柔軟化された鉢(関係)では、単なる水の中に金魚が泳ぐ姿を愛でるだけでなく、柔らかい鉢を触ることにより水の温度、金魚の動きの波を感じて、自分の気持ちも金魚に伝えられることを目指して設計しました。大切にするという気持ちで、人と金魚の新しい関係が生まれれば嬉しいです。



柔らかい金魚鉢の発想がこれまでなかったね。実際、金魚に触れるの?



金魚を愛おしく感じられるし、金魚にも気持ちを伝えることができる優しい作品。実際、慣れると金魚は人間の手に寄ってくるのよ。
富士山お香 井下 恭介さん(熊本)


【コンセプト】
燃える過程で灰が雪化粧のように変化していく、富士山を模したお香です。香りがメインであるお香に、視覚的な美しさの要素を取り入れる事で、「お香を焚く」という行為が人の生活をより豊かなものにしてくれるのではないかという思いから制作しました。煙と共に変化していく小さな富士山を見ながら、ゆっくりとした時間を過ごして頂けると嬉しいです。



なるほど。灰が富士山の雪化粧になるんだね。



青い富士山もいい色だけど、赤富士も縁起が良さそう。
THE GATHERING CHAIRS 平岡 美由さん(兵庫)


【コンセプト】
小学生のウェルビーイングのための椅子です。小学校は、人との関係を築き始める必要不可欠な時間です。しかし、ウイルスにより、教室内でも距離をとり、休み時間も安心して遊べない中で、子どもたちは社会性を育めず、長期的にも悪影響を及ぼす可能性があります。今後も新しいウイルスがまた流行しないなど、誰に分かるでしょうか。子どもたちが安全な距離を保ちながら遊び心を持って集まれるような、これからの椅子を提案します。



コロナ禍だから生まれた発想だけど、こんな椅子楽しそう。



プレゼンで始終笑顔で作者の人柄の良さや子供たちの未来を思う気持ちが伝わって素晴らしかったって!






まとめ
どの作品もコンセプトが明確で、作者の思いをストレートに造形にしているので、説得力があり、見ただけでズドンとイメージが伝わリました。デザインとはフォルムを楽しむだけでなく、『動き』、『時間』と言った変化を楽しみ、基軸には、触れた人の心を豊かにするところは、今回の受賞作の共通項であると思いました。基軸には、触れた人の心を豊かにするところは、今回の受賞作の共通項であると思いました。本当に豊かな時間をありがとう。そしてお疲れ様でした。


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