UBARTH
ついにこの日が来ましたね。
縄文文化を紹介できるなんて・・感無量!
ご意見番
目次
ごあいさつ
このたび、山梨県立美術館では、山梨日日新聞社・山梨放送と共催で、特別展「縄文ーJOMONー展」を開催いたします。
山梨県が、優れた縄文遺物が数多く出土する国内有数の地であることは、広く知られています。県内で発掘された遺物は、膨大な数にのぼり、中には重要文化財に指定され、また近年には日本遺産に認定されたものも多く、本県が”縄文王国”と称えられる所以でしょう。それらは、保管、研究されて老古学の発展に寄与し、さらに地域の歴史資料館、老古博物館などで展示されることで老古ファンを魅了しています。一方で、これら縄文遺物は、日本美術の原点として位置づけられています。しかし、展覧館は、国内各地の博物館で頻繁に開催されるものの、美術館では大きく取り上げられることは多くはありません。
さて、現代の私たちに、はるか一万六千年以上昔の縄文時代の文化や人々の生活を想像させ、様々なイメージを与えるのに貢献をしているのが、発掘される遺物そのものであり、それらを記録する写真と言えるでしょう。遺跡へ足を運ぶことなく、書籍はもとより、現代ではインターネットを駆使して、あらゆる場所に居ながら心行くままに堪能できます。さらに、ヴァーチャルな鑑賞体験のできる時代が到来しています。それらの基となる写真を40年以上もの間、国内津々浦々へ赴き、撮り続ける第一人者が、小川忠博氏です。小川氏は、遺物を誰よりも数多く撮影するだけでなく、スリットカメラを開発し、縄文美術の最たる特徴である土器の文様を展開写真として撮影することを可能としました。それによって文様に新しい解釈が生まれるなど、老古学に多大な影響を与えました。これらの写真を見ることで、縄文人の生活を具体的にはっきりと想像することができるのです。縄文文化をこれほど鮮明に映し出した写真によるイメージの集まりを、私はみたことがありません。
本展は、県内に所蔵される縄文土器・土偶の名品を一堂に会し、新しい視点によって小川氏の撮影した国内各地の縄文遺物写真や展開写真とコラボレーションさせることで縄文文化の美術的魅力を体験していただく絶好の機会となるでしょう。
最後になりましたが、展覧会開催にあたり、多大なご協力を賜りました小川忠博氏をはじめ、貴重な館蔵品をご出品くださいました各所蔵館、ならびに各市町村教育委員会、ご支援いただきました関係各位に心よりお礼申し上げます。 2022年 主催者
プロローグTHE”JOMON”
一万六千年から二千八百年ほど前まで続いた縄文時代において、縄文土器は様々な変容を遂げています。プロローグでは、県内から出土した土器を時代順に紹介して変遷をたどります。笛吹市の花鳥山遺跡から出土した縄文前期の《深鉢型土器》などにはじまり、北杜市の坂呑場遺跡から出土した大量の中期中葉の土器群から、南アルプス市の北原C遺跡出土《深鉢形土器(水煙文土器)》など中期後葉の土器、そして北杜市金生遺跡から出土した後期の《注口土器》にいたりますが、特に造形美あふれる中期(五千五百年前から四千五百年前)の遺物を中心に紹介します。これらとともに、写真家の小川忠博氏によって撮影された国内の遺跡や優れた石器、骨角器などの写真を合わせて紹介することで、縄文人の暮らしはもとより、豊かな世界観や創造力を感じていただけることでしょう。
UBARTH
どこかで見た土偶ですね。
お前さん、観察ゼロか?
ご意見番
リンク
COOL”JOMON”-KAWAII
昨今の”COOL JAPAN"と言われる日本特有の文化の起源は、縄文時代にあるのではないでしょうか。なかでも”かわいい”は、日本美術史における重要なキーワードとして、近年、注目されています。ここでは、土偶の名品と人面の数々、また人面装飾付き土器を紹介して、”かわいい”のルーツを探ります。重要文化財で「子宝の女神 ラヴィ」の愛称を持つ南アルプス市の鋳物師屋遺跡出土《土偶(円錐形土偶)》や、「ウーラ」の名で親しまれる韮崎市の後田遺跡出土《土偶(仮面土偶)》、北杜市金生遺跡の《土偶(中空土器)》など、人気の土偶が勢ぞろいします。また、小川氏の写真からも国宝の土偶「縄文のビーナス」をはじめ、全国各地の個性的で愛くるしい土偶の数々、人面装飾の集合写真などに可愛さが何倍にも増して伝わってきます。
UBARTH
なんかカワイイ・・
シンプルだけど人間味あるよな
ご意見番
UBARTH
肩の部分まで作りが凝ってますね。
普通な見れない後ろ姿も展示会ならでは
ご意見番
UBARTH
? 渦巻きがトレードマーク
UBARTH
これは宇宙人っぽいですね。
人間とは思えない想像豊かな作品がもっとあるぞい!
ご意見番
UBARTH
これ、現在でも通用するでざいんですね。
このジョッキでビール飲みてー
ご意見番
リンク
COOL”JOMON”-UTSUKUSHII
縄文土器の魅力のひとつは、その姿や文様の美しさにあります。重要文化財に指定されている甲州市の殿林遺跡出土《深鉢形土器》の均整の取れたプロポーションと大胆かつ整然と配された渦巻き模様は、縄文人の優れた美的感覚を知るに足りる名品です。その才能は、重要文化財で笛吹市の釈迦堂遺跡出土《深鉢形土器(水煙文土器)》においても発揮され、複雑な文様を見事なまでに立体化し、神々しいほどに美しい姿をしています。小川氏の写真は、完品の土器に限らず土器片や木器、人間象の美を表した土偶や土面にいたるまで縄文遺物における美しさを見出しています。
COOL”JOMON”-KAKKOII
縄のような文様が、執拗なまでに器を巡らせるのが「縄文」の謂れであるごとく、それらの文様や姿態が、究極的ともいえる造形を示し”格好いい”と賞されるに値する名品を紹介します。上野原遺跡出土の《深鉢形土器(水煙文土器)》や釈迦堂遺跡の《深鉢形土器》群などの複雑化つ幻想的、神秘的な文様は、見る者を圧倒します。一方で、甲州市の天神堂遺跡出土《深鉢形土器》に施された突起物は、左右対称性、正面性とは無縁の造形美から、視点によって様々な表情を見せ、どの角度から見ても”格好いい”と思わせる逸品です。小川氏によって撮影された土器は、実物以上ともいえる魅力を引き出してくれます。各地で出土した個性的な土器の数々からは、美しさ、さらに格好良さへと通じる造形美が伝わってきます。さらに密集する土器軍を暗闇に浮かべ、あるいは整然と一堂に並べ、ときにはクローズアップして撮影した写真は壮観であり、まさに格好よくないでしょうか。
エピローグ展開された”JOMON”
写真家の小川忠博氏は、縄文遺物を誰よりも数多く撮影してきただけでなく、スリットカメラを開発し、土器の文様を展開写真として撮影することに成功しました。それによって文様に新しい解釈が生まれるなど、老古学かいに多大な影響を与えました。笛吹市の桂野遺跡出土《渦巻文土器》は、土器全体を渦巻文様で埋め尽くす類例の少ない土器です。その展開写真は、止め処なく繰り返される圧巻の渦巻で魅了します。そのほか、ヘビやサンショウウオといった動物や、人間の男女(一説には神やマツリの主催者)と解釈される文様など、実物を見るだけでは分かりづらい文様についても展開写真によって説得力が増します。このように土器と写真をコラボレーションさせることで、縄文文化の高度な芸術性を体感するとともに、現代の私たちにも綿々と受け継がれている美術的感覚のDNAを実感していただけることでしょう。
UBARTH
いろんな展示方法があって、また新たな縄文文化に触れた気がする
縄文時代は謎が多く、世界最古の文明である可能性がある。1万年もなぜ戦争もなかったのか?現代人が学ぶことがきっとあるはず。それにしても、想像力がハンパなかった!堪能しました。
ご意見番
ありがとう山梨美術館
本日も最後までご愛読ありがとうございました。
コメント