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DAMIEN HIRST
ダミアン・ハーストー桜ー
2022.3.2→5.23
国立新美術館
『〈桜〉のシリーズは美と生と死についての作品なんだ』
ーダミアン・ハースト
ごあいさつ
イギリスを代表する現代作家であるダミアン・ハーストは、30年以上にわたるキャリアの中で、絵画、彫刻、インスタレーションと様々な手法を用い、芸術、宗教、科学、そして生や死といったテーマを深く考察してきました。最新作である〈桜〉のシリーズでは、19世紀のポスト印象派や20世紀のアクション・ペインティングといった西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックな風景画を完成させました。それはまた、1980年代後半以降、継続的に抽象絵画を制作してきた作家にとっては、色彩や絵画空間に対する探究の大きな成果でもあります。大きいものでは縦5メートル、横7メートルを超える画面に描かれた風景は、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木の下に身を置いた時のように、私たちを幻想的な世界に誘います。
2021年、カルティエ現代美術財団は本シリーズを世界で初めて紹介し、高く評価されました。この度、春には満開の桜がお客様をお迎えするこの国立新美術館に、国内で初めてハーストの大規模な個展が巡回します。107点からなる〈桜〉のシリーズから作家自身が24作品を選び、展示会空間を作り上げる本展が、コロナ禍で閉塞感を抱いていた奥の人々に絵画表現の魅力を存分に楽しんでいただける機会になれば幸いです。
最後になりますが、本展の開催にあたり、惜しみないご協力をいただきましたダミアン・ハースト氏に深く感謝いたします。また、貴重なご尽力を賜りましたハースト氏のスタジオの皆様にも合わせてお礼申し上げます。さらに、本展がカルティエ現代美術団体の格別のご協力と緊密な連携なしには実現しませんでした。同館の職員の皆様に深く感謝の意を表します。そして、本展の実現のためにお力添えを賜りました全ての関係各位にも、心より御礼申し上げます。 国立新美術館
ダミアン・ハースト桜
2019年に私はロンドンのテムズ川沿いに位置するハマースミスのスタジオで、ダミアン・ハーストに初めて会いました。私が最初に感じたのは、喜びに満ちた興奮のようなものでした。光を浴びたスタジオで〈桜〉のシリーズに囲まれ、この幸福な出会いを果たしたのです。その美しさ、色彩、マチエールの過剰さに深く魅了され、これらの作品をすぐにパリのカルティエ現代美術財団で紹介し、最初の開花を観客と共有したいと思ったのでした。
2021年、ダミアン・ハーストは私の招きに応え、カルティエ現代美術財団で初めて公開するために明るく輝きに満ちた29点の作品を選びました。完全に具象でもなければ、完全に抽象でもないその生き生きとした詩情に私は魅了されました。作家自身が会場構成を考え、展覧会は広く観客に受け入れられました。パンデミックが起きてからかなり時間が経過した後に人々が生活と現実へと戻るタイミングに合わせ、〈桜〉のシリーズの展覧会を急ぎ開催すべきという私の思いは、展示室を再生を感じさせる場にすることに結実したのです。
この2022年に、カルティエ現代美術財団は国立新美術館と協力して、大規模な本展を日本に巡回させる機会に恵まれたことを大変光栄に感じております。この日本での展示会では、大画面の絵画24作品が作家自身によって慎重に選ばれました。作家があえてシンプルさを追求した展示は、観客が絵画に浸り、美の世界を観察し、さらに、生、死、そして時間の流れについて思いを巡らすことができるように考えられているのです。
このプロジェクトを通じて献身的に仕事をし、我々に信頼を寄せ、そして、極めて寛大な姿勢を貫いてくださったダミアン・ハースト氏に心より感謝申し上げます。また、丁寧に仕事を進め、格別な協力を惜しまなかったスタジオの皆様にも謝意を表したいと思います。
国立新美術館の仕事にも触れておきたいと思います。同館の職員の皆様の貴重な貢献によって、この素晴らしい〈桜 〉のシリーズを紹介する日本で初めてとなるダミアン・ハーストの大規模な個展を実現することができましたことに心より感謝申し上げます。
エルベ・シャンデス カルティエ現代美術財団ゼネラルディレクター
UBARTH
桜を描いた大型の絵画作品24点が結集!しています
ダミアン・ハートのダイナミックな桜は、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木を再現しとるぞー
ご意見番
UBARTH
どんな世界観があるのかワクワクします。楽しみでーす。
ダミアン・ハースト〈桜〉
UBARTH
皆さんはどの桜が気になりましたか?
わしは生命の桜が好きじゃーの
ご意見番
皆さんも是非ダミアン・ハーストの桜を見て気に入った作品があれば連絡ください。
ダミアン・ハーストさんありがとうございました。自然より自然で、しかも人間の感情を投影する素敵な空間を堪能できました。
本日も最後までご愛読ありがとうございました。
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